肺をヨイショする横隔膜と肋骨の動き
「……息ってどうやって吸うんだっけ」
上手に歌おうとか、ブレス長く歌おうとか思うと、息の吸い方が分からなくなることがあります。
今回は、そんな息が入り息を出す「肺」の動きについて確かめます。
肺の大きさを捉える鍵は「ナイフ」と「ハラミ」
肺の大きさについては前回の記事で確認しました。
・肺は鎖骨の上に顔を覗かせている
・肺の底面は肋骨の下部のあたり
・肺の底面はお腹側より背中側が深い
「ナイフ」と「ハラミ」が気になる方はこちらをご覧ください。
肺はまわりにヨイショされて動く
今回お伝えするのは、肺の動きです。
肺は人が生きていくに欠かせない重要な働きを担っていますが、肺だけでは何もできません。まわりの状態に影響を受けて大きくなったり小さくなったりします。
肺は周囲の空間が広がれば気圧の関係で大きくなり、周囲の空間が狭まればまた小さくなるという動きをします。
肺は、まわりのヨイショなしには動けないのです。
そのヨイショ担当者は、横隔膜と肋骨です。
※illustration by フリーメディカルイラスト図鑑
横隔膜の動き
それではまず、底面の横隔膜の動きを見てみましょう。
横隔膜は力を入れると下へ収縮する働きを持つ筋肉です。
肺の底面とくっついているので、横隔膜が下がれば肺も下へと広がり、息が入ります。
反対に、力を抜くと上へ戻るため、肺が縮み息が出ていきます。
息を吸おう! と思ったら、横隔膜に力を入れて肺を引き下げればいいのです。
肋骨の動き
肺の底面以外は、肋骨に囲まれています。
その肋骨の動きはイメージできますか?
肋骨は開いたり閉じたりしますが、その動きの起点はどこにあるでしょう。
※illustration by フリーメディカルイラスト図鑑
答えは、背骨です。
背骨を軸にして開いたり閉じたりするようにして肋骨は動きます。
息を吸いたいなら、肋骨を開けば良いのです。
肺と横隔膜と肋骨
肺に息を入れるということには、横隔膜と肋骨が密に関わります。息を吸うという動作は、簡単に言ってしまえば、以下の2つの動きに因数分解できます。
・横隔膜に力を入れて肺を引き下げる
・肋骨を開いて肺を広げる
なんとなく吸うのではなく、横隔膜や肋骨の動きを感じながらブレスをしてみてください。
次回は、この動きを用いて「呼吸法」についてお伝えします。
お楽しみに!