Nコン2017解説：「歌う」の「た」は「う」っぽく歌おう！「君に歌う歌」
こんにちは、小春ういです！ 今日はNコン高校の部課題曲『君が君に歌う歌』の発音についてお届けします。
「君に歌う歌」
今日お伝えする「君に歌う歌」で、曲のはじめから続いたシーンに一区切りがつきます。はじめてのフォルテの上、タイトルの回収ともなるフレーズ、たっぷり歌いきるために以下の3つのポイントを参考にしてください！
ポイント1：「み」は唇に力を入れすぎないで
「み」の子音は有声子音（子音の間、声帯が鳴る発音）ですが、歌う時に声帯が止まってしまいやすい発音です。
その理由は、唇を閉じて口の空間を広く開けて、その上で鼻に息を通すということに力をたくさん使ってしまうから。それで余力がなくなってしまって、声帯が止まってしまいます。
「み」のときに口の空間を意識するのも大切ですが、声帯が振動しなければ、せっかくの広い空間もそこに声を響かせることができません。
子音のあいだじゅう母音を鳴らすことも意識して、バランスを取ってみてください。
ポイント2：「歌う」の「た」は「う」っぽく歌って
言葉は流れを持っています。「歌う」なら、「う・た・う」と分けて言うときと、「歌う」と続けて言うときでは少し発音が違います。「歌う」の3つの音の中で一番変化するのは「た」です。2つの「う」にサンドイッチされるために、「う」の影響を大きく受け、このように変化します。
・アゴはそんなに開かなくなり、開き方もゆっくりに
・唇の動きがマイルドに
この変化を少し歌に取り入れると、「歌う」の語感が伝わる歌になります。
ポイント3：最後の「歌」の「た」はさっきよりも広めに
ポイント2で見た「歌う」の後にも「歌」が続きます。こちらの「た」は、前は先程と同じく「う」ですが、後ろは何も発音しません。そんな今回の「歌」の「た」の発音は先程よりは広めになります。
長く流す間、多少口の形を変える場合もあると思いますが、その場合は変化を緩やかにするよう気を付けてください。
Nコン課題曲の歌い方、好評連載中です。
※来週から配信日が変更です！
高等学校の部課題曲『君が君に歌う歌』は、水曜日
作詞：Elvis Woodstock（リリー・フランキー）／作曲：大島ミチル
中学校の部課題曲『願いごとの持ち腐れ』は、火曜日と金曜日
小学校の部課題曲『いまだよ』は、月曜日と木曜日
作詞：宮下奈都／作曲：信長貴富
に配信します！ 解説お楽しみに！
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日本語の歌唱を得意とする声楽家・合唱指導者。国立音楽大学卒業。基礎力を大切にした歌唱・指導が特徴。日本語音声学や朗読などを学び、知識を実践に結びつけることをライフワークとする。中学生の時、NHK全国音楽コンクール（通称：Nコン）全国大会出場。高校では合唱部を音楽的に推し進め、初出場で全日本合唱コンクール（通称：朝日コン）全国大会3位相当の特別賞を獲得した。大学・社会人になっても合唱やアンサンブルを続け、海外演奏旅行や海外コンクールなどの経験を持つ。
