Nコンの歌い方:「黄昏」1番の締めくくり音の「れ」は顎が勝手に開かないように注意
こんにちは、小春ういです! 今日はNコン中学校の部課題曲『願いごとの持ち腐れ』の発音についてお届けします。
「黄昏」
今日取り上げるのは「黄昏」。とても印象深い1番の歌詞の締めくくりです。黄昏とは、夕方くらいの薄暗くなった時間のこと。明るいか暗いかでいうと暗い語感を持った言葉です。それにピッタリな表現ができるよう、以下を参考にしてください!
ポイント1:ハッキリよりも、まろやかを意識して
「黄昏」 を母音唱してみてください。口を大きくうごかして口周りの筋肉を鍛えるためではなく、母音の音色をまろやかにすることを意識して行ってみてください。
「た」から「そ」、「そ」から「が」、「が」から「れ」にパッパと移り変わるのではなく、なるべく顎や唇の形を変えないようにして歌いましょう。
舌が十分に動いていれば、そしてその動きが揃っていれば言葉は十分に届きます。
ポイント2:「が」は舌を丘のようになだらかに
「が」というと舌をしっかり天井にくっつけて歌うというイメージをもっているかもしれません。しかし、その発音は「黄昏」にはかたすぎます。
もう少し舌をやわらかく使いましょう。舌の一部分を山形に盛り上がらせるというよりも、丘のようになだらかに盛り上げて天井に近づけるイメージです。
ちなみに、天井に完全にくっつかなくても大丈夫です。
ポイント3:「れ」は顎が勝手に開かないように注意
長い音の時、顎はついいつもより開きがちです。「黄昏」が明るい単語で「れ」にクレッシェンドが付いていれば、広めの発音はその箇所にピッタリな具合でハマるかもしれません。
しかし、「黄昏」は暗めな語感な上に、ここにはクレッシェンドはありません(デクレッシェンドもありませんが)ので、ここに広めの発音は似合いません。
間奏前の音はお客さんの印象に強く残ります。「黄昏」の語感を表すために、顎が閉じめの少し暗い音にしましょう。そして、伸ばしている間も顎が勝手に開いてこないように気をつけましょう。
Nコン課題曲の歌い方、好評連載中です。
月・木は高等学校の部課題曲『君が君に歌う歌』について。
作詞:Elvis Woodstock(リリー・フランキー)/作曲:大島ミチル
火・金は中学校の部課題曲『願いごとの持ち腐れ』
水は、小学校の部課題曲『いまだよ』
作詞:宮下奈都/作曲:信長貴富
について解説します!
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日本語の歌唱を得意とする声楽家・合唱指導者。国立音楽大学卒業。基礎力を大切にした歌唱・指導が特徴。日本語音声学や朗読などを学び、知識を実践に結びつけることをライフワークとする。中学生の時、NHK全国音楽コンクール(通称:Nコン)全国大会出場。高校では合唱部を音楽的に推し進め、初出場で全日本合唱コンクール(通称:朝日コン)全国大会3位相当の特別賞を獲得した。大学・社会人になっても合唱やアンサンブルを続け、海外演奏旅行や海外コンクールなどの経験を持つ。